25年目の両想いの行方

4年不倫関係にあった独身彼が結婚しW不倫に。5年目に入ってすぐに離れる事を決めました。

苦しい 続き

△「お子さんおめでとう」


既読になると、彼からすぐに電話がかかってきた。


どうしても電話が取れなかった。


何を話していいかわからなかったから。彼が何を言うのか怖かったから。



△「いま、もうバス」


嘘をついた。



▼「不妊治療してた」


△「うん。知ってる」


▼「妊娠がわかったからアルバム消したの?」



彼を怒らせただろうか。



△「会えて幸せだったから、いまちょっと気持ちがぐちゃぐちゃなの」


△「写真見てると涙が出てくるから」



▼「わかった」


「わかった」は、彼がこれ以上深入りしないと諦めた、いつものサイン。

この言葉が出ると、通常は私が折れるまで連絡は途切れる。



△「コウが嬉しい事がこんなに苦しいなんて、ごめんなさい」


周りに人がたくさんいるのに、涙が止まらなかった。いま、返せる精一杯の私の気持ちだった。


▼「ううん、こっちこそごめん」


彼が謝るのは珍しいこと。それだけ、いつものヤキモチや、連絡がなくて拗ねたのとは違うと思ったのだろう。

私が乗り越えられるのか、彼も不安なのかもしれない。



△「愛してる」



いま、これだけは本当の気持ち。

どうなるかはわからないけど、伝えなきゃと思った。


▼「ありがとう。俺も愛してる」



△「乗り越えるまで離さないで」



あなたが今手を離したら、私はもう2度と戻れない。



▼「離すわけない!」



人目もはばからず泣きながら歩いた。



あぁ、私、彼が変わってしまうことが怖かったんじゃない。


自分が変わってしまうことが怖かったんだ。


こんな風に、好きな人の幸せを妬んで、自分にないものを嘆いて、この先も、彼と付き合っている限り、そんな気持ちを抱いて苦しみ続けなくてはいけないことがこれ以上増えるのが怖かったんだ。


きっと今なら、正しい道に戻れる。