25年目の両想いの行方

4年不倫関係にあった独身彼が結婚しW不倫になりました

言ってはいけない嘘

このところずっと、連絡がガクッと減っていることが悲しいと訴え続けていた。


平日はなんとか電話しようと頑張っていてくれたのだけど、私の仕事の都合でいつもの時間に電話に出られなかったりと、すれ違った。


家に帰ってしまえば、ラインは既読にすらならず、週末には奥さんと一緒に産まれてくる子どもを迎える準備をしているんだろうと、暗い想像が止まらなくなった。


奥さんのSNSでは、旅行に行ったり、花火を見たり、海に行ったり、彼と過ごす夏の行事がけたたましくアップされて、私はさらに追い詰められる。



△「ラインの返事が1つもできないくらい奥さんとべったりなの?涙」



これまで放ったことが無い言葉で彼を責めた。



▼「その言い方、嫌い」


▼「このところそんなのばっかりだね。連絡できるときはしてるのに、そんな風にしか言わない」


とうとう彼が怒った。



彼の結婚がわかった頃、不安で不安で奥さんよりも愛されているか確証がほしくて、私と奥さんを比べるような質問をしたら、彼はすごく嫌がった。

望む返事がもらえなくて泣く私に、


▼「比べるとかはしない」

▼「どちらが1番なんて言わない」


そう言われて、2度と奥さんと自分を彼にとって天秤にかけさせるような事を言ってはいけないと思った。

奥さんの悪いところなどを絶対に言わない彼は、2人の女性を、別の世界で、それぞれ愛しているのだと、思い知った。



彼の気持ちを少しでも、その別の世界で愛される奥さんよりも私に向けたい。

気を引きたがる子供のような感情が生まれて、彼の関心をかう一瞬のためだけに、永遠にダメになるかもしれない嘘をついた。



△「うちも子どもができたかもしれない」



なんでこんな事を言ったのかはわからない。

慌てる彼を見たかったのかもしれない。

奥さんに子どもができたときのような、私が味わった喪失感を彼にも感じさせたかったのか。


彼の返事は、これ以上のやり取りを終わらせるためのいつものひと言だった。



▼「わかった」


以来、連絡はない。